敷地の開放感を活かし、暮らしをより豊かにする庭

関東圏より軽井沢へ移住されたご家族のお住まいにてお庭をつくりました。
敷地の開放感を活かし、暮らしをより豊かにする機能性を意識して計画しました。

菜園枠にはじゃがいもやトマト、きゅうりなど季節の野菜が実っています。ブルーベリーなどの果樹も植栽しており、様々な食物の収穫を楽しむことができます。落ち葉や乾燥させた生ごみはコンポストにて時間をかけてこれらの肥料となります。

寒さが厳しいためこちらのお住まいでは薪ストーブを使用しています。数年分の薪を貯蔵するための薪棚には中央に通路を設けて、しっかり乾燥した薪から運び出せるようにしています。

スキーやキャンプなどのレジャー用品や園芸用品は2つの物置小屋に収納します。小屋の屋根は広く張り出し菜園作業のスペースやサイクルポートとして活用できるようにしました。

植栽は寒暖差の大きな気候特性をふまえて、鮮やかな紅葉を楽しめるものを選びました。花や葉が独特な印象を持つ宿根草がアクセントとなり四季折々の表情を楽しめます。

広い芝生でキャッチボールをして遊び、パーゴラのハンモックにゆられてゆったり過ごし、日が暮れてきたらファイヤアーピットで焚き火を囲む。そのような様々なシーンをこれからも十分に楽しんでいただけることを願っています。

緑あふれる、アウトドアリビング

キッチンダイニングに面したテラス。
この場所を緑あふれる、アウトドアリビングにしたいというご要望でした。

室内からの大きな開口と、その他の3面を高い壁にを囲われたパティオのような空間で、
壁の圧に負けないよう、高さのある植物を管理するため、広く土壌面の取れるプランターを造作しました。

お客様のご要望の一つでもあったガゼボのような空間を作るため設置したパーゴラとの位置関係
ダイニングからの動線やキッチンからの視線を考慮しプランターの形状と配置を設計しています。

風景の骨格・背景となる木本類、宿根草類の他、
ヨガの講師を務め、アーユルベーダにも造詣の深いお客様が、
自身で季節柄のハーブなどを育て収穫するためのエリアも設けています。

一部のプランターにはキャスターを付けることで、
様々な用途に合ったレイアウトを行えるようにしてあります。

暮らしながら、生活に合わせて少しづつ変化していく庭

葉山の二子山の麓、はるかに望む海と緑豊かな山に囲まれた絶好のロケーションに立つ住宅の外構計画。
建築家さんのご紹介で、建築計画段階から参加させて頂きました。

自家用車・来客用車・バイク・自転車がとめられる機能性を持たせつつ、緑豊かなお庭を通るアプローチ計画をご提案させて頂きました。少し大回りになる動線計画でしたが、普段の生活の中で、よりお庭を身近に感じて頂ける豊かなアプローチができたと思います。
アプローチには元々この土地にあった飛石を使用し、目地にダイコンドラの種をまく事で、既存のままの庭にスッと馴染んでくれています。

植栽構成としては、山々の豊かな緑を背景に、元々庭に植わっていたモミジやヤマモモを庭の骨格として残し、家に近い部分にのみ新たに植栽を加える事で、室内から見た時の植栽の奥行き感を感じて頂ける様に計画しました。
窓前の植栽は、道路からの視線を柔らかく遮る効果も期待できます。

建築計画段階からお声掛け頂けた事で、アプローチと庭の関係性や残置する既存樹の選定、現地に転がっていた多くの石の扱いなど無駄なく、より豊かに活用できる計画にすることが出来ました。

まだ、広いお庭には既存フェンスの更新や植栽の追加、ファイヤーピットの設置などこれからの部分も多く残されています。
そんな中お引越し後には、ハンモックを吊り下げたり、菜園枠をDIYしたりと、早速庭の楽しみが少しづつ広がっている様です。
暮らしながら、生活に合わせて少しづつ変化していくお庭。
とても贅沢な暮らしで羨ましい限りです。

設計:木名瀬佳世建築研究室
写真:安田誠(一部除く)

新旧の植物が織りなす表情豊かな庭屋一如の空間

1988年に建築家の自邸として建てられたRC住宅のリノベーション。
活用されていなかったパティオを中心にした庭屋一如の空間をコンセプトに計画されました。
パティオを通ったアプローチになるようにエントランスが再構築され、リビング・ダイニングそれぞれに面した正に家の中心となる様に位置付けられたスペースのご提案をさせて頂きました。

既存のパティオは鬱蒼としていましたが、年月を経てその地に根付いたナンヨウスギやアンズ、苔むしたレンガ舗装など、元々とても雰囲気のある空間でした。そこで、空間構成として手を加えるのは最小限と考え、新しい動線計画に合わせ、既存レンガを再配置する事で植栽帯と舗装部分を明確に整理する事のみに留めました。

植栽計画としては、様々な空間の中心に位置しているため、既存樹木をメインに、どの角度からでも楽しめるように追加植栽しました。
道路からは1段下がったレベルに位置していたため、日照に制限がある環境ではあったのですが、都心部であること、建物に囲まれた寒風に当たりにくい環境である事などを考慮し、普段あまり使えない耐寒性が弱い植物も取り入れる事で、表情豊かな空間となりました。

ご家族でBBQなど楽しめるルーフバルコニーにもプランターによる植栽を配置しました。
パティオとは180度異なる生育環境なので、それぞれ違った植栽構成をお楽しみ頂いております。

 

設計:木名瀬佳世建築研究室+k.u.h.aa
写真:傍島利浩(一部弊社スタッフ)

都心の穏やかな隠れ家、広がる空と緑の調和

都内の閑静な住宅街にある一軒家。

周りに高い建物の少ない立地で、見晴らしと広い空を満喫できる屋上と、そのアプローチでもあるリビングに面したテラス。
そして、地下のドライエリアを利用したサンクンガーデンへ植栽を行いました。

屋上にはもともとプランターが設置されていましたが、視界を妨げない程度で数を増やし、どの視界からもグリーンを感じられるようなレイアウトを作りました。
もとはシマトネリコが植栽されていましたが、強い日照や風のため状態が良くなく、今回はそれらの条件により高い耐性と、見晴らしや風を考慮し適正な樹高2.0m~2.5m程度に設定したうえで、その高さで見栄えのする樹形となるものを選び、植え替えをおこなっています。さらに自動潅水機も設置しメンテナンス性への対策もおこなっています。

サンクンガーデンは一面のガラスで屋内と仕切られており、屋内の視覚からは、白い壁が明るい印象の余白となるよう、シンプルな配置で植栽を行いました。

もともとのウッドデッキ貼りが朽ちてしまい、また周辺から落ち込んでくる落ち葉の掃除が大変との事も大きな問題でしたが、タイル貼りにすることで耐久面とメンテナンス面での性能向上を図りつつ、壁の白と相まって、シンプルな構図を強調しています。

内と外を緩やかにつなぐパティオ

リビングに面した奥行き3m弱のスペース。元々は生垣で囲われた芝生の庭でしたが、隣地から丸見えなのでほとんど庭に出ることもなく、大きな掃き出し窓は常にカーテンを閉めているような状態でした。そこでプライベートをしっかりと確保できるようにRC造の壁を立て、リビングからフラットで繋がるテラスをつくりました。また、壁を利用して一部分にガラスの屋根をかけることで、内と外を繋ぐ中間的な空間になり、同時に室内からの視覚的な広がりも感じられるようになりました。高さがある壁ですが、リビングとの繋がりを意識した石材を張り、一体型のベンチをつくることで、圧迫感が出ないようにしています。ちょっとした洗い物ができるようなガーデンシンクや奥には幾何学模様のセメントタイルを敷き込んだ収納小屋も設けています。

庭としての機能もしっかりと感じるために、植物も各所に配しています。ベンチの上部にはオリジナルの細いプランターを設置し下垂性のアイビーを植え、中心に位置するシマトネリコは元々庭に植わっていたものを移植しています。ご家族で楽しまれているのはもちろん、ご友人を招いたり、植物を使った教室なども開いているそうです。

海を望むロケーションを活かし、庭の役割を再構築

海を望むロケーションで別荘として利用されている物件。

新築より20年近く経ち、大部分の芝生や草木を植えていた広い庭も、海からの潮の問題や別荘で滞在する時間が限られていることも相まって管理に限界を感じ、持て余し気味にしていたため、経年の痛みが出ている部分のケアと共に管理の手間のかからない形にリフォームしたいというご要望でした。

余裕のある広さや海を望む景観などの特性をベースに、改めてオーナー夫妻、子供世代、孫世代と利用されるシチュエーションを多様に想定して行くことで、今までほぼ1面として認識されていた場所にいくつかのエリア分けを作り、その役割に合うような舗装を施してゆくことで積極的に活用しやすい形を作ることが日々のメンテナンスの問題解消にもなるよう構成してます。
またその一環として悩みの種でもあった植物も、無くしてしまうのではなく、楽しみとして無理なく付き合って行けることを考慮した植栽エリアを維持計画と併せて提案させていただいています。

高い擁壁に囲まれたプライベートガーデン

リノベーションしてお住まいの一戸建てのお庭スペースのご提案。
高い擁壁に囲まれ、擁壁からの雨水が敷地内に溜まってしまい、スペースはあるものの、なかなかお庭として使えていないという事で、ご依頼を頂きました。

雨水が溜まりやすい掃き出し窓の前のスペースは、土壌改良を行った上で、床レベルが一段高いウッドデッキを設けました。
ウッドデッキには造り付けのベンチを設置し、ご家族やご友人が集る事ができる空間にしました。

道路の方が建物より高い関係で、覗き込める様な立地だったので、目隠しとしてウッドデッキ部分にパーゴラを設置しました。
加えて、周りに背の高い樹木を植える事で、歩行者の存在感を和らげ、植物に囲まれたプライベートなスペースになるよう計画しました。
パーゴラには、目隠し機能に加え、植物が絡む支持物として、さらに吊り輪やブランコを吊るす事で、お子さんがのびのび遊べるお庭としての役割も担ってくれています。

竣工時に仕込んでおいたキヅタが徐々に擁壁を登ってきて、少しづつ擁壁全体の緑化が進んでいます。
家族の成長と共に変化していき、多くの時間を共にする事で、家族皆さんの記憶に残るお庭になっていってくれる事を願っています。