HEBEL HAUS コンセプトモデル「余白の在る家」 -室内

大手ハウスメーカーの旭化成ホームズが展開する注文住宅ブランド「ヘーベルハウス」のコンセプトモデル「余白の在る家」において外構デザイン・施工を担当させていただきました。

都市型居住モデルとして、限られた敷地でも豊かに暮らす住環境を主眼としたこの「余白の在る家」。

特徴であるシェルウォールという外壁がせり出し外部スペースを囲い込む構造が屋内と屋外の緩衝領域を産み出すことで、サッシなどの開口を大胆に設けても高いプライベート感が担保され、室内からの外の景観の取り込みがしやすく、開放感とともに緑を眺めることが可能となっています。

また、居住スペースとしても外部も、シェルウォールで囲われたスペースはリビングの延長として、そこから一段下がりオープンエアな雰囲気のテラススペース、そこからさらに1段下がると、外壁沿いに配されたアンティークレンガの小径があり四季を感じながら散歩するような感覚を味わえるなど、限られたスペースでも充実したシーンが作られることを意識しました。

植栽は、モデルルームの機能として年間を通して緑のボリュームが保たれるような常緑樹の骨格を構築する傍ら、室内の採光部付近には落葉樹を配し、温かい時期には日差しを和らげ、冬の時期にはあたたかな日差しが室内に届くようにしています。

また、日々の植物との付き合いとして、食用の実のなる木(柑橘類、ザクロ、ジューンベリー、フェイジョア、ローズヒップなど)花木(ハナミズキ、アジサイ、ノリウツギ、シャクナゲ、西洋ニンジンボク、ジューンベリーなど)紅葉木(シラキ、ジューンベリー、ハナミズキなど)その他宿根草も積極的に植栽し、一年を通して四季折々に変化して行く外部スペースを取り入れた生活の楽しみを訪れた人に想像してもらい易くなるように配慮しています。

主要な植木の個体セレクトは、日々を過ごし、馴染んだ様子を想像して頂き易いように、新規工事で扱われることの多い規格から植栽後10年ほど経過した姿をイメージし行っています。

外観としては、様々なメディア広告のキービジュアルとして扱われることを考慮し、特徴構造のシェルウォール部分が強調されるよう植栽配置を調整しています。

実際に人の訪れるモデルハウス機能としても玄関の両側を背の高い樹木で縁取り、訪れた方の緑豊かな体感の演出も意識し構成しています。



デザイン事務所

マンション専有テラスの植栽リフォーム。
仕事場から望む景色、休憩や打ち合わせなどに利用されるスペース。
元々あったプランターは塗装でリメイクし、配置変え。

壁面コーナーにプランター棚を設置し、植栽を立体的に配置し、緑に囲まれた空間となった。

常緑の植物で骨格を作り、その中で季節の変化を感じてもらえるよう
花物を添えた。

THE LIBRARY 表参道店

表参道の路地を入ったところに立地するアパレルセレクトショップのファサードとコートヤードの植栽。
主にイギリスのプランドを扱うショップのイメージをさりげなく感じてもらうため、イングリッシュガーデニングのように様々な種類の植物を用いつつも、全体のトーンはナチュラルで落ち着いたものになるよう植物のセレクトを行っています。
コートヤードは表参道のメインストリートに隣接しており、その喧騒からの緩衝壁の機能を担えるよう、高さ3m前後で管理するタイサンボクリトルジェム、ビバーナムリチドフィラム、ナギ、キョウチクトウ、シマグミ、レモン等葉が密に茂りつつも、変化に富んだ個性豊かな常緑樹により、緑に包まれるような空間となっています。

Morinoie

軽井沢~八ヶ岳を中心とした自然と森暮らしを提案するブランド”morinoie”のアトリエ。

代官山旧山手通り沿いのビルの一室にあり、顧客とのミーティングスペースが併設され、言わばmorinoieの都会の入り口ともいえるスペース。

部屋は専用テラスに面し、低層建築の多い猿楽町にあり都心では稀有ともいえる広い空が望める。
このテラスを魅力的に活かしきるべくご相談をいただきました。

主宰である五十嵐・福岡両氏との打ち合わせを重ね、
軽井沢の森を再現するのではなく、本質的にmorinoieが提供するものをこの場所で表現する形を模索しました。

限りあるスペースに配置するウッドデッキとプランター。
それぞれの幅、高低差、奥行きを意識的に操作することで空間機能を整頓し
居住空間と植栽空間そしてそのどちらでもない緩衝空間を構成。

室内から眺める窓に切り取られた景色の自然な落ちつきや
テラススペースに身を置いては、植栽の間を通り抜けテーブルと椅子の置かれたスペースに至る体感的奥行きを特に意識しています。

現代的資材の再生プラスチックや人工軽量土壌、
伝統的資材の焼杉・銅板を用い造作したプランターには、
テラスを吹き抜ける風にそよぐしなやか風情の常緑植物を中心に、
冬の景色のビタミンとなる鮮やかな暖色の実が味覚でも楽しめる金柑や四季を感じる落葉樹のモミジも植栽されています。

広い空のもと、四季の移ろいを感じながら風にそよぐ植物越しに遠くに居並ぶ近代的な建物を眺めるここでしか成しえない心地よさを追求しました。

Well-Blend KAMATA

社宅として使われていた建物をリノベーションしたシェアハウスの植栽。
ビルの立ち並ぶ街の風景の中で揺れる緑が通りゆく人々の目に留まるよう、限られた植栽環境でも、時間をかけながら建物のファサードが緑で覆われていくような植生を設計しています。
プライベートジム、サウナ、シェアキッチン等が併設された施設内はそれぞれの体験を洗練させるリノベーションワークが施され、居住者も含め緩やかな人の交わりをはぐくむ空間となっています。
そのような中で各所に配された緑が、アプローチから始まり街の風景から施設への邂逅の演出となる事を意識しています。

”Well-Blend蒲田”
企画・運営 株式会社リビタ
意匠設計・監修 トラフ建築設計事務所
リノベーション施工 ストラクス
植栽デザイン・施工 BROCANTE
写真 阿野太一(一部弊社スタッフ)

CASICA(新木場)

材木倉庫をリノベーションして作られた複合施設。
ファサードに面した植栽帯に山堀りの植木やつる植物を中心に野趣的な植木をその動きの絡みとトーンを合わせながら、一体的な面となるような構成で植栽を行っています。
ライフスタイルショップ、カフェ、スタジオ、オフィスと用途は様々に異なる内容へと様変わりしていますが、
材木倉庫だったころの面影も引き継ぎつつ、また新しい時間の流れが、植物の芽吹きと共に紡がれてゆきます。

Casablanca Pool House

江ノ電沿いの海が見える傾斜地に建てられた民泊施設。以前からお使いになっていた別荘に隣接した敷地にゲストハウスを建てられたため、別荘の庭部分を合わせて作り替えたいというご要望でした。

十年程前に最初にご依頼いただいた時は芝生中心の比較的シンプルな工事でしたが、今回はプールを設置したいという事で、少し大がかりな工事になりました。

高低差のある敷地をできるだけ広く使うためにウッドデッキを敷き詰め、プールの大きさを最大限確保しました。意匠的なポイントを兼ね、飛び込みができるようプールに張り出したステージデッキを設けています。外周には周囲の目隠しとなるよう耐潮性のあるキョウチクトウやグレビレアなどの常緑性の植物で構成し、リゾート感を演出するためにヤシやストレリチアなど熱帯性の品種も多数配しています。大きなロシアンオリーブとヤマモモは以前の庭からそのまま引き継いでいます。

プールは温水になるため夜間や肌寒い季節でも快適に使用でき、お客さまにもとても喜ばれているそうです。竣工から数年が経ち、植物も旺盛に茂りちょっとした南国のリゾートを思わせる雰囲気になっています。