緑あふれる、アウトドアリビング

キッチンダイニングに面したテラス。
この場所を緑あふれる、アウトドアリビングにしたいというご要望でした。

室内からの大きな開口と、その他の3面を高い壁にを囲われたパティオのような空間で、
壁の圧に負けないよう、高さのある植物を管理するため、広く土壌面の取れるプランターを造作しました。

お客様のご要望の一つでもあったガゼボのような空間を作るため設置したパーゴラとの位置関係
ダイニングからの動線やキッチンからの視線を考慮しプランターの形状と配置を設計しています。

風景の骨格・背景となる木本類、宿根草類の他、
ヨガの講師を務め、アーユルベーダにも造詣の深いお客様が、
自身で季節柄のハーブなどを育て収穫するためのエリアも設けています。

一部のプランターにはキャスターを付けることで、
様々な用途に合ったレイアウトを行えるようにしてあります。

Morinoie

軽井沢~八ヶ岳を中心とした自然と森暮らしを提案するブランド”morinoie”のアトリエ。

代官山旧山手通り沿いのビルの一室にあり、顧客とのミーティングスペースが併設され、言わばmorinoieの都会の入り口ともいえるスペース。

部屋は専用テラスに面し、低層建築の多い猿楽町にあり都心では稀有ともいえる広い空が望める。
このテラスを魅力的に活かしきるべくご相談をいただきました。

主宰である五十嵐・福岡両氏との打ち合わせを重ね、
軽井沢の森を再現するのではなく、本質的にmorinoieが提供するものをこの場所で表現する形を模索しました。

限りあるスペースに配置するウッドデッキとプランター。
それぞれの幅、高低差、奥行きを意識的に操作することで空間機能を整頓し
居住空間と植栽空間そしてそのどちらでもない緩衝空間を構成。

室内から眺める窓に切り取られた景色の自然な落ちつきや
テラススペースに身を置いては、植栽の間を通り抜けテーブルと椅子の置かれたスペースに至る体感的奥行きを特に意識しています。

現代的資材の再生プラスチックや人工軽量土壌、
伝統的資材の焼杉・銅板を用い造作したプランターには、
テラスを吹き抜ける風にそよぐしなやか風情の常緑植物を中心に、
冬の景色のビタミンとなる鮮やかな暖色の実が味覚でも楽しめる金柑や四季を感じる落葉樹のモミジも植栽されています。

広い空のもと、四季の移ろいを感じながら風にそよぐ植物越しに遠くに居並ぶ近代的な建物を眺めるここでしか成しえない心地よさを追求しました。

新旧の植物が織りなす表情豊かな庭屋一如の空間

1988年に建築家の自邸として建てられたRC住宅のリノベーション。
活用されていなかったパティオを中心にした庭屋一如の空間をコンセプトに計画されました。
パティオを通ったアプローチになるようにエントランスが再構築され、リビング・ダイニングそれぞれに面した正に家の中心となる様に位置付けられたスペースのご提案をさせて頂きました。

既存のパティオは鬱蒼としていましたが、年月を経てその地に根付いたナンヨウスギやアンズ、苔むしたレンガ舗装など、元々とても雰囲気のある空間でした。そこで、空間構成として手を加えるのは最小限と考え、新しい動線計画に合わせ、既存レンガを再配置する事で植栽帯と舗装部分を明確に整理する事のみに留めました。

植栽計画としては、様々な空間の中心に位置しているため、既存樹木をメインに、どの角度からでも楽しめるように追加植栽しました。
道路からは1段下がったレベルに位置していたため、日照に制限がある環境ではあったのですが、都心部であること、建物に囲まれた寒風に当たりにくい環境である事などを考慮し、普段あまり使えない耐寒性が弱い植物も取り入れる事で、表情豊かな空間となりました。

ご家族でBBQなど楽しめるルーフバルコニーにもプランターによる植栽を配置しました。
パティオとは180度異なる生育環境なので、それぞれ違った植栽構成をお楽しみ頂いております。

 

設計:木名瀬佳世建築研究室+k.u.h.aa
写真:傍島利浩(一部弊社スタッフ)

都心の穏やかな隠れ家、広がる空と緑の調和

都内の閑静な住宅街にある一軒家。

周りに高い建物の少ない立地で、見晴らしと広い空を満喫できる屋上と、そのアプローチでもあるリビングに面したテラス。
そして、地下のドライエリアを利用したサンクンガーデンへ植栽を行いました。

屋上にはもともとプランターが設置されていましたが、視界を妨げない程度で数を増やし、どの視界からもグリーンを感じられるようなレイアウトを作りました。
もとはシマトネリコが植栽されていましたが、強い日照や風のため状態が良くなく、今回はそれらの条件により高い耐性と、見晴らしや風を考慮し適正な樹高2.0m~2.5m程度に設定したうえで、その高さで見栄えのする樹形となるものを選び、植え替えをおこなっています。さらに自動潅水機も設置しメンテナンス性への対策もおこなっています。

サンクンガーデンは一面のガラスで屋内と仕切られており、屋内の視覚からは、白い壁が明るい印象の余白となるよう、シンプルな配置で植栽を行いました。

もともとのウッドデッキ貼りが朽ちてしまい、また周辺から落ち込んでくる落ち葉の掃除が大変との事も大きな問題でしたが、タイル貼りにすることで耐久面とメンテナンス面での性能向上を図りつつ、壁の白と相まって、シンプルな構図を強調しています。